| 作品名 | 私のあしながおじさん |
| 原作名 | DADDY-LONG-LEGS(1912年)(英) |
| 原作者 | Jean Webster(ジーン・ウェブスター) 米国(1876年〜1916年) |
| 訳書名 | あしながおじさん |
| 舞台 | アメリカ |
| 物語の年代 | 1924年頃から約7年間 |
| 主人公 ペットほか |
ジュディ・アボット(13〜20才) ジャーヴィス・ペンデルトン |
| 放送期間 | 1990年1月〜12月 |
| 話数 | 全40話(平均視聴率 16.2%) |
| オープニング曲 | グローイング・アップ |
| エンディング曲 | キミの風 |
アメリカにあるジョングリア孤児院に暮らすジュディ・アボットは、月に1度やってくるある水曜日が大嫌いでした。それは、孤児院に多額の寄付をしている、評議員達を接待しなければならないからです。しかし、評議員が孤児の中から高校へ進学させる1人を選ぶ予定であることを聞きつけたジュディは、張り切って接待しますが、気持ちが空回りしてしまい、数々の失敗を重ね、評議員を怒らせてしまいます。
孤児院を出なくてはいけない年齢になっていたジュディは、高校進学の夢も断たれたと思い、落ち込みますが、ジョン・スミスと名乗るある評議員がジュディの書いた反省文を気に入り、ある条件の下、全寮制高校・リンカーン記念女子学院への入学が決まります。
お礼を言おうと追いかけるジュディですが、車のヘッドライトに写った、脚が長い影を見て、『あしながおじさん』と呼ぶようになります。
名門、リンカーン記念女学院での生活は、孤児院での生活と違い、素晴らしいものでした。やがて、ルームメイト・ジュリアの叔父ジャーヴィスと恋に落ち、彼から告白を受けますが、孤児院出身であることを隠している負い目から、それを受け入れる勇気が出ません。苦悩の日々が続きますが、ついに決心して、卒業式の日にみんなの前で身の上を明らかにします。そして卒業後の約束の日、“あしながおじさん”との対面を果たすのでした。
原作が手紙だけなので、日付は確実ですが、時代背景を再現するのはとても難しかったのかもしれません。ティコをのぞけば一番設定が新しい作品です。自動車なども出てきます。サクセスストーリーとしての成り上がり度は、ペリーヌを超えているじゃないでしょうか。
作品の内容は知らなくても、「あしなが」という名の奨学金が存在するほどその名前は有名な作品です。アニメ作品としても、視聴率が低迷してきた名劇にテコ入れすべく投入された力作です。原作は、ジュディからあしながおじさんへの手紙が続いていくだけの内容なので、これを膨らませて一つの作品にするには相当の苦労があったと思います。視聴率をセーラに匹敵する16.2%まで引き揚げたその魅力は様々なところにちりばめられています。もっとも輝いていたのはやはりジュディの描写でしょう。明るく前向きな性格。これまで続いたよい子ちゃん路線からお転婆路線を採用した点も、視聴者確保に一躍買っていると思います。 物語の展開自体は、最終的にジュディが結婚してしまうという、アダルトな内容になっています。それでも視聴者が減らなかったのは、小さな頃から名劇を見て育った子供たちが、中高生くらいの年齢に達していたせいかもしれません。
手紙形式であった原作から、ジュディの生き生きとしたキャラクターを生み出し、アニメ作品に仕上げたことは、とても難しい試みだったと思います。
話が進むにつれて、ジュディの心の内を強く描くようになり、恋愛感情の中での心の葛藤は、アニメ視聴者の年齢層からは考えられないくらい大人向けな内容だと思います。これは、原作が児童文学というより、思春期の女の子をターゲットにしており、設定年齢も本来大学生であるためですが、名劇史上初とも言われているキスシーンや結婚など、これまでの名劇作品には無い、アダルトな内容を含んだ作品になっています。
このような作品の性質は、大人にとってはむしろ好都合で、大人でも比較的感情移入しやすい物語ではないかと思います。アニメでの描写も、後半は恋愛が全面に押し出されているため、とてもロマンティックな仕上がりになっています。ジュディのコミカルなキャラに魅了されて本作を見始めた男の子にとっては、直視しにくいような展開だったと思います。今では照れも少なくなった年齢になっていると思いますので、女の子の気持ちを理解する教科書だと思って、じっくり観てみてはいかがでしょうか。
有名な本作は、原語(英語)版はもちろん、日本語版も多く出版されています。プロローグを除いては、全てがジュディがあしながおじさんに宛てた手紙になっており、読者はその中から物語とジュディの心の葛藤を読み取っていくという、大変珍しいスタイルの作品です。物語の途中には、ジュディが手紙の中で描いた絵という絵もあり、楽しく読むことができます。
原作が上記のようなスタイルであるため、アニメ化の際の設定変更や、特に後半の物語の構成の変更は大変顕著となっています。具体的には、主人公の設定で、アニメでは最初からジュディとされているが、原作ではジェリューシャという本名を嫌がって愛称であるジュディを名乗った点や、視聴者層に合わせてか、ジュディの年齢が原作での16歳から13歳に引き下げられた点などが挙げられます。当然入学する学校も原作で大学だったのが、年齢に合わせてアニメではハイスクール(高校)に変更されています。
それから、アニメ最終話の最後にあるシーンは、続編である「続あしながおじさん」で描かれることになる内容をモチーフにしているものがあります。この続あしながおじさんは、やはり手紙形式ですが、ジュディーの友人、サリーが書く手紙となっています。