top>世界名作劇場>あらいぐまラスカル

概要

作品名 あらいぐまラスカル
原作名 Rascal, a Memoir of a Better Era(1963年)(米)
原作者 Sterling North(スターリング・ノース)
米国(1906年〜1974年)
訳書名 はるかなるわがラスカル
舞台 アメリカ・ウィスコンシン州
物語の年代 1917年から約1年間
主人公
ペットほか
スターリング・ノース(11〜12才)
オスカー・サンダーランド(スターリングの悪友)
アリス・スティーブンソン(スターリング憧れの女の子)
ラスカル(あらいぐま)
放送期間 1977年1月〜12月
話数 全52話(平均視聴率 21.6%)
オープニング曲 ロックリバーへ
エンディング曲 おいでラスカル

あらすじ

アメリカ・ウィスコンシン州の山間にある小さな街に住むスターリングは、大変動物好きで、たくさんの動物たちと暮らしていました。ある日、スターリングが悪友・オスカーとウェントワースの森に出掛けたところ、偶然、猟師に母親を撃たれてしまった赤ちゃんのあらいぐまを見つけます。スターリングはこのあらいぐまをラスカルと名付け、育てることにします。
あらいぐまをペットとして飼うことは、ほとんど先例が無く、手探りの状態での毎日でしたが、次第にラスカルはスターリングにとって大切な友達となっていきます。愛らしいラスカルは、友達のアリスをはじめ、多くの人に可愛がられますが、一方でイタズラが過ぎて、一部の人から敬遠されてしまいます。ついには、トウモロコシの味を覚え、畑を荒らすようになったラスカルへの風当たりは次第に厳しくなってきてしまいます。
 時を同じくして、スターリングの家では、父の事業の失敗や母の死など、家庭環境を大きく変えてしまう事件が次々と起こります。スターリングにとって、自分を支えてくれた友達と別れを告げることはとてもつらいことでしたが、ラスカルを生まれた森へ返すことにしたのでした。

作品の時代背景

 原作にしか出てこないエピソードですが、スターリングの兄が第一次大戦に従軍しています。また、父の事業失敗も、いわゆる世界恐慌が絡んでいます。一見、ラスカルを中心にしたキャラクター重視の物語ですから、世界情勢とは無縁な世界のような気がしますが、元が実話なだけあって、その辺りはリアルに絡んできますね。

ウィスコンシン州について

 名劇初期の作品の特徴ですが、主人公が学校などで地理を勉強するシーンが必ず登場します。物語の舞台となった街も、授業の通り。もう少し詳しく見てみると、五大湖の近くであることがわかります。交通の便がそれほど良くなかったとは言え、アンとニアミスがあったかもしれませんね。  物語で父が事業に失敗する話が出てきますが、これはきっと世界大恐慌のことだと思われます。一応、当時のアメリカの歴史を整理してみます。  ちなみに、ウィスコンシン州は千葉県と「姉妹県」として交流しています。

個人的な感想

 作者の実体験に基づいて描かれた、名作劇場の中でも珍しい作品です。ラスカルは現在もなおキャラクターとして根強い人気を誇っており、日本アニメーションの看板キャラとして活躍しています。そんなせいか、ラスカルのキャラは知っているものの、物語について覚えている人は少ないんじゃないでしょうか。正直、自分も前半のラスカルを拾ってくるエピソードや、中盤のトウモロコシをラスカルが盗み食いしてしまうエピソード、最終回の森に返しに行くエピソードなどが断片的に記憶が残る程度でした。  改めて原作を読み直してみると、主人公のスターリング少年(=作者)を中心に繰り広げられている、壮大なヒューマンドラマであることがわかります。日本訳本には「推薦図書」のラベルが貼られていましたが、その理由が納得できる名作でした。  キャラクターからラスカルを知ったあなたも、是非、「名作ラスカル」の世界をご堪能ください。

ココに注目

 ラスカルと言えば今でもキャラクターが人気を集めています。まさかこれが30年前のアニメのキャラだと知らない人も多いのではないでしょうか。意外なことですがアニメではキャラを全面に出しているため、名劇では(物語の展開上)唯一の動物が完全に主人公とも言える作品です。放送終了後も日本アニメーションのマスコットとして活躍しています。
 ラスカル中心にアニメを見てしまうと、本作が名作児童文学をモチーフにした作品であることを忘れていまいがちですが、大人の視点で観る時は、是非スターリング少年の視点や家族を取り巻く「大人の事情」についても注目してみましょう。海外でも高く評価されている、児童文学の名作の質の高さを楽しんでみてはいかがでしょうか。

原作紹介

 ラスカルのこのお話は、実は作者の自叙伝的な性質があります。既に気付いている人も多いと思いますが、主人公のスターリングとは、作者のスターリング、つまり本人ということになります。アニメ作品では、ラスカルというキャラクターを全面に出すなど、描写のされ方が違ったり、若干のエピソードの追加があったりするものの、話の大筋は原作と大きくは変わっていません。原作は、物語を「スターリングの視点」で見ることができるので、アニメと合わせて見ると、新しい発見があるかもしれませんね。

Copyright knoz. All rights reserved.
本サイトを無断で転載・複製することを禁じます。
お気づきの点はこちらまで。