Castration

(去勢手術)




去勢手術とは? 効果は? 時期は?

私達はこのように考えています




● 去勢手術とはどういうものなのでしょうか.

去勢というのは、外科的に精巣(睾丸)を切除することです.
分かりやすく書きますと、皮膚を切開し、中に入っている丸い形の精巣を外す手術です. したがって陰嚢(いんのう)、いわゆる"袋"はそのまま残ります. この手術をすることにより、メスに子供を産ませることができなくなります. 避妊目的の他には、睾丸や前立腺などの病気の治療に用いられることがあります. また、性ホルモンの影響下での攻撃性が低下して躾がしやすくなるとも言われています. ちなみにメスの場合は「去勢手術」とは言わずに、 「避妊手術」といいます.


● 手術をすると、どのような効果が得られるのでしょうか?

・性行動を抑制します.
発情中のメスがいても性的な興味を持たなくなります. 性成熟前に手術をすれば、そういった行動は初めからみられないないでしょう. 外を自由に歩き回っている猫にとっては、そういった意味でメスを奪い合うケンカには 巻き込まれずに済むと思われます. また自然交配してしまう心配が無くなったので知らないうちによその子に子供を受胎させてしまい、 望まれない子を世に送り出すことを未然に防ぎます.

・ある種の病気の予防になります.
主に、精巣の腫瘍(セルトリ細胞腫など)、 肛門周囲の腫瘍、前立腺の病気(前立腺肥大症など)、 会陰ヘルニア等の病気の予防になります. これらの病気は犬に多いのですが、精巣の腫瘍は、 その部分を摘出してしまうわけですからなりようがありません. その他の病気は性ホルモンの影響によるところが大きいと言われ、 そのホルモンが産出される精巣を摘出してしまえば病気の発生率も抑えられるというわけです. また外へ自由に出ることができ不特定多数と接触する機会が多い猫の場合、 ケンカによってできた傷口からウイルスが侵入し、伝染病に感染してしまう ケースがありますが、去勢することでケンカが少なくなり、 結果的にそれらに感染する可能性が低下するということです.

・縄張り意識等、ホルモンの影響でオスに強く出る行動が抑えられる可能性があります.
例えば犬であれば、散歩中などの本来の排尿以外に、 電柱や塀などへちょこちょことオシッコをかけるマーキング行動が少なくなる可能性があります. 猫であれば、特に室内だけで生活している子の場合、家の中で自分の縄張りを主張し、 壁やドア、ふとんの上などあらゆる所にマーキングの為のオシッコをかけていきますが、 その行動が少なくなる可能性があります. また、性成熟前に手術をすることによって、 この排尿によるマーキング行動を防げる確立は高くなります.


● 理想的な手術時期はいつでしょうか?

生後約4ヶ月から8ヶ月までの間が非常に理想的と思われます.
基本的には外から睾丸が触れれば(下りてくるといいますが) 手術は可能です.

大事なことは、病気の予防という意味もあるということ.
先に挙げた主な病気の原因はホルモン性のものが多いと言われており、 それらの病気を防ぐためには、やはり早期に精巣を摘出してしまうことをお勧めします.

問題行動を起こさせないようにする目的があるならば...
(ここでいう問題行動とは飼い主にとっての煩わしい行動を意味します)
例えば、猫のマーキング. 猫のオシッコは非常に濃縮されているために、とても臭いがキツイものです.(特にオスは) それで家じゅうのあちこちにスプレーするのですからたまったものではありません. においがなかなかとれないので、家の中は臭くてたまらないでしょう. この行動は、早期に手術を受けさせることによって発現しにくくなります.
犬では、どこかに発情しているメスがいた場合にそれを感じて落ち着かなくなったり、 吠えるようになったり、散歩中に急にメス犬に突進して飼い主さんが引きずられたりすることも 大型犬ではあるようですが、早めに手術することによってメス犬に対しての性的関心は 起こらないでしょう. 性ホルモンの影響下での攻撃性や所有欲、縄張り意識等が低下して 躾がしやすくなるとも言われています. しかしもって生まれたその子の"性格"自体は変わることはありません.


● 私達はこのように考えています

去勢手術に関してご理解頂けましたでしょうか?
さらに詳しいこと、例えば「手術に備えての準備は?」「手術後の管理は?」といったような事は、 最寄りの病院へ直接お尋ねになった方がよいでしょう.

避妊、去勢手術の考え方に関して、"個人的な意見です"が書きたいことはたくさんあります.
里親探しをしていて気付くことは、メスよりもオスの方が貰い手がつきやすいということです. どうしてかな?って思って気にしていると、 どうやら「メスは子供を産んでしまうから」らしいのです. そのように考えていらっしゃる方は、 多分避妊に関して何も考えておられないのではないかなと感じます. ということは、オスであれば発情のわずわらしさも妊娠の危険性もないのですから、 そのままの状態でお飼いになられると思います.(あくまでも想像ですが)
自分のところで子供を増やさないということだけであれば、それもいいかもしれません. ただ、"環境の良い地域"では、未だに夜になると犬を放して 「ひとりで散歩に行って来ーい!」という飼い主さんもいらっしゃいます. その場合、去勢をしておかなければよその家に侵入して、発情しているメスと交尾をして しまう可能性は十分にあります. もちろんこういったことはお互い様で、メスが避妊していないという事実もありますが... オスだからという考えをもう一度見直して頂けたらと思います.

そして大事なことをもうひとつ.
それは、本能を抑制された時の精神的ストレスの存在です. オスには発情期という時期はありません. 発情中のメスがいればいつでも交尾できる体勢になれるのです. ですから「いつでもスタンバイOK!」の状態です. でも、本能のままに自由に交尾ができる生活環境をあなたは彼らに与えていますか?
ポチ君の隣の家のリリーちゃんに発情がきました. ポチは興奮し、性的衝動にかられます. 思うようにならずイライラするでしょう. でも、なんとかその期間を乗り切って、落ち着きを取り戻したとします. ところが半年後にまた... それだけならまだしも、家から数100m離れたところに住んでいるナナちゃんにもその間に発情がきて、 ポチはまた落ち着かなくなります. 飼い主さんにはポチが最近落ち着かなくなった原因がわからず、 犬の性格のせいにしたりすることもあります. うるさいので散歩に連れ出します. ところが行った公園にいたメス犬の殆どが発情中でした!っとまぁ、 極端なお話を作りましたが、現実にありえることです.
また、猫のタローは他のオスと発情中のメスの奪い合いをして、しょっちゅうケンカをしてきます. ケンカに勝たなければ交尾できないのです. かなりの痛手を被っても、その本能を抑えることはできません. まして自分の大事な縄張りも守らなくてはいけないのですから、それはもう大変です. そんなことをしているうちに、傷口からウイルスが入り込んで、 ならなくてもいい病気になってしまったり、追いかけ回されて道路に飛び出し、 交通事故にあってしまうのです.

私達は一定の社会的ルールの基で生きています. その中で、動物達を"飼う"ということになると彼らにも「制限してもらうこと」が出てきます. やむを得ないその「制限」を、できるだけストレスが伴わないようにしてあげるのが、 私達"飼う側"の役目だと思うのです.
避妊や去勢を「勝手なことだ」と決めつけずに、また「可哀想だ」と思う前に、 これらのことを冷静に考え、ご家族で話し合ってみてはいかがでしょうか.



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