by レンコポッ チさん
妖雲群行 アルスラーン戦記10 田中 芳樹著 角川書店
推理研の人間がファンタジーを薦めるのもどういうものかと思うが、最近ミステリ
を読んでないので仕方ない。薦める本がないのである。
さて、この「妖雲群行」は7年ぶりにようっやく出た、アルスラーン戦記の第十巻 である。なんと「7年ぶり」の第十巻である。話の内容もうっすらとしか覚えてない
ころに出た第十巻である。とりあえず、十巻分のあらすじがのってる、「アルスラー ン戦記読本」を読んでおさらいしてから読む。
感想は・・・。おもしろいのにびっくりである。ここしばらく田中芳樹作品から遠 ざかっていたのだが、こんなにおもしろいとは驚きだ。ヒルメスってこんなにかっこ
よかったっけ?後、女性陣もよい。昔の田中芳樹作品は「銀英伝」とか、ほとんど女 性が活躍しなかったが(まあ、「銀英伝」はラインハルトがヒロインみたいなもんだ
ったしな)、最近は「薬師寺涼子の事件簿」とか、女性陣が大活躍である。よい傾向 だ。元気な女性がでてくる小説は読んでて楽しい。現実世界でも、シドニーで女性陣
が大活躍だったし、まったくいい世の中になったものだ。
田中作品のファンタジーがおもしろいのは、とにかくいろいろ要因があるわけだ が、何といっても作品世界が
しっかりしているというところにあると思う。ファンタ ジーはハイ・ファンタジーにせよロー・ファンタジーにせよ、作品世界がどこまで確 立しているかによって、おもしろさがかなり違う。最近の日本のファンタジーはどう
も借り物の世界が多くて、底が浅くてよくない。ファンタジー=ヤング・アダルト物 という世間一般の位置付けも、底の浅いファンタジーが横行する要因だろう。ヤング
・アダルト物=どうせ、子供の読むものでしょ?的な軽いみなされ方(そもそも、子 供の読む物だからレベルが低いという考え方こそ問題なのだが)がそこにはある。真
に優れた作品とは大人の鑑賞にも、子供の鑑賞にも堪えうるものである。そんな優れ たファンタジーがもっと読みたい。
「アルスラーン」の続きも気になるところだが、「タイタニア」や「自転地球儀シ
リーズ」の続きも気になる。まあ、田中作品は質は保証されてることだし、ゆっくり
待つとしよう。
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